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税理士コラム

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税理士 大沢育郎の視点

 大沢税理士事務所 所長 大沢 育郎(おおさわ いくろう)が、税理士の視点から様々な内容についてコラムを更新します。

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来年からの相続増税

2014年11月09日 更新

来年、平成27年(2015年)1月以降に発生する相続から、本格的な増税がスタートします。
来年からの改正として、2億円超の税率の引き上げ、相続税の取得費加算見直しなど、
種々細々といった増税部分、そして小規模宅地の適用要件の緩和など
減税的要素などもありますが、なんと言っても一番の目玉、一丁目一番地、
そのメインは、相続税の基礎控除額の引き下げです。

相続税の基礎控除とは何でしょうか?
相続税の計算の流れを下図に示しました。
ファイル 101-1.jpg












この「▲基礎控除」は、今年までは、
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
ですが、来年平成27年からは、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
と40%減ります。

法定相続人が1人の場合、6,000万円→3,600万円
法定相続人が2人の場合、7,000万円→4,200万円
法定相続人が3人の場合、8,000万円→4,800万円
法定相続人が4人の場合、9,000万円→5,400万円

そこへきての最近の地価上昇です。
全国の地価は下落傾向ですが、下落幅は縮小してきました。
しかし、三大都市圏の地価は、住宅地・商業地ともに6年ぶりに上昇しています。

土地の地価が上がれば、当然、遺産額が増えることに繋がってきます。
そして、平均の相続財産の半分近くは、土地であるため、
地価の上昇は相続税に広く影響します。
ファイル 101-2.jpg














相続については、いくつかの誤解が多いのも事実です。
たとえば、相続は金持ちにしか関係してこない話だ、というもの。

しかし、それは誤りです。
相続は「相続問題」と「相続税問題」に大別できます。

後者の相続税問題は確かに、一定の富裕層に関係してくる話です。
そして、来年から相続税の基礎控除が減額されることで、
申告者数が現状の7万人から11万人と1.5倍増える予想です。

相続税についてどのような節税対策をとり、どう遺産分割していくか?
は専門家を交えながら、検討していく事項になります。

なぜなら、遺産額の勘定の問題と、相続する側・させる側の感情の問題との
個別事情が相続は多分に含まれるため、単純解決で
すぐ対策が見つかることの方が実は稀で、
ケースバイケースで丁寧に最適化をはかっていくことが求められます。
某税理士会の相続の相談窓口は、既に3ヶ月待ちの状態が続いています。

しかし、それでも相続税の申告や納税額が発生するのは、
極一部の人に限られる話、と思う人が多いのも事実です。

ただ、相続問題は別です。
亡くなった親などから、どのように遺産分割をして相続するかは、
複数の相続人がいる限り、何かしらの問題が出てくる可能性は否定できません。

相続税は一部の人の話であっても、人の寿命に限りがある限り、
相続問題は多くの人に関係してきます。

一人当たり平均年金受給額が下がりつつある昨今、
一人当たりの相続財産額は、年々、増加傾向にあります。
年金の受給額の減少は、相続財産分で補われるとも言われています。

いっぽうで、相続財産はプラスのものばかりとも限りません。
マイナス財産、いわゆる財産よりも借金を多く遺して亡くなられるケースがあります。
その場合、相続放棄が考えられますが、相続の開始を知った日から3カ月以内に
家庭裁判所にその旨を届け出る必要があります。

相続は何かと慌ただしく月日が流れますが、
期限を求められるものが数多くあります。
相続が起きてからではなく、事前に概要を掴んでおくことは
転ばぬ先の杖となるでしょう。
ファイル 101-3.jpg









そのマイナス財産、相続放棄を行った場合でも、
亡くなったことで入ってくる生命保険料は、受け取ることができます。

ですので、相続税が発生する、申告が必要、相続放棄する等々、
それ以外の場合であっても相続について考えておく必要はあります。

なぜなら、法律は、権利の上に眠るものは保護に値しない、
という厳しい一面を持っているからです。
「知りませんでした!」では、通用しないケースが多く存在します。

人口動態を見ても、今後、日本の人口減少、亡くなる方の人数は増え続けます。
ファイル 101-4.jpg











毎年50兆円の資産が移動し、2030年までの15年間の間に累計で
1,000兆円が動く、と予想されています。

日本では言霊信仰があり、言葉に出すとそれが実現してしまうので、
縁起でもないことは口にしない、という慣習があります。
東日本大震災が起きる前の原発対策では、1000年に一度の大地震が起きた時は?
といった議題は、縁起でもないことは口にするなと、
避けられてきたと言われています。

相続問題も同様です。
亡くなったことを前提に、考える話です。
「縁起でもない。」「いや俺はまだまだ長生きするから。」
等々、想いは様々あると思います。

もちろん移ろいやすい税制度ですべて万全の対策をとっておくことは、
必ずしも得策ではありませんが、ある程度の計画は立てておいて無駄ではありません。

相続や寿命は突然発生し、そのタイミングはコントロールできません。
元メジャーリーガーの松井秀喜氏が言っているように、
自分でコントロールできることと、できないことを分けて、
できることに対して、前向きに進めていく姿勢がまずは重要になります。

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